はい、ゆず店長、それでは旅立った子のお見送りからお勉強しますよ。
おーい。
「ゆず・・・お仕事がありまふ・・・」
寝るお仕事は後にしてください。
「ぇええ〜なんかわかんないけど〜お勉強って言葉、苦手なかんじがしますぅ」
大丈夫、おかんも勉強苦手だ(普通教科とかのほう)
てかゆず、店長じゃん。
それに君、花音のお見送りしてるからただのおさらいですぞ。
「ぬぁ・・・そうね〜・・・」
はい、では、花音のお見送りを思い出してみよう。
まずは、最後の瞬間を見届けてから、の事なんだけど。
いままでしなやかだった身体ってのは細胞も生きてたから保てるのね。
だから旅立つと細胞さんも一緒に旅立っちゃうから、段々身体が固くなってくるの。
旅立った直後は悲しくて取り乱したり、なにも考えられなくなる人もたくさんいると思うんだけど、おかん的にはわーって泣いちゃうけど、一旦冷静になって「死」を受け止めたら、あとでゆっくり悲しめばいい、と自分に言い聞かせて、2つのことをして欲しいなっておもってるの。
1つは、目と口を閉じさせてあげること。
人の場合は病院でやってくれるんだけど、君たちは家族がだいたい見取るから、家族がしてあげないといけないのね。そっと上まぶたを手で覆って、しばらくなでて下げてあげる。
これを何度か繰り返すと、身体がじょじょに固まってきて目を閉じることができるよ。
「なんで閉じるの?」
目が合うと辛いっていうのもあるし、皮膚以外の臓器っていろいろ変化してくるので、舌がだれてきたり、目元に変化が現れるとその印象ですごく悲しむことになったりもするので、閉じて眠らせてあげるのがいいとおもうよ。
もう一つは、普段の楽な眠る時の体勢にしてあげること。
これもゆっくり眠らせてあげるという意味と、家族の心理的な話と、実質的な話が混ざってるけど、猫さんならゆる〜いニャンモナイトの形にしてあげると、手で口が開いてくるのを押さえておけるし、普段みたいにお昼寝してるように見えると悲しみを和らげられるから。あと、肋骨のないお腹部分の変化が見えないほうがいい、といういろいろな理由があるから。
普段どおりに寝かせてあげて、手足をそっと支えていてあげると、そのまま静かに固まっていくので、最後に毛並みを整えてあげたり、拭いてあげながらしてあげてほしいなっておもってるよ。
ここまでで、だいぶ泣き疲れて少し冷静になってくるから、次の準備ね。
この後はお葬式をするために、ご遺体を運ぶ準備をします。
段ボールでも、カゴでもなんでもいいので、眠らせたまま運んであげられるものに寝床を用意します。
花音は夏に旅立ったから、いつもの寝床に凍らせた保冷剤を敷いて、その上にペットシーツを敷いて寝かせてあげたのね。
「なんで保冷剤?」
旅立つと身体の細胞も一緒に動かなくなるから、皮膚とかを生きてる時みたいに保てないの。
ご遺体が痛むと切ないので、冷やしてそれを防ぐのですよ。
「えっっ・・・痛むってなに?」
えーと・・・ざっくりいうと腐敗です。
「まじで!?」
マジです。
人も君たちも植物もみんな旅立つと腐っちゃいます。野菜も腐るでしょ?
「なんで!?」
土に還るためだよ。
「土?」
そうそう、本来は人もきみらも植物も土の上で生きてて、旅立ったらそのまま土に埋めて。
そうすると土の中の子ら(微生物とかね)が身体をすこしずつ分解して最後には土に馴染んで骨だけになるのね。
そうすると、また新しい命の糧になる、っていう自然のサイクルがあるから、腐敗って考えないで、身体は土に戻るための準備をし始める、って思えばいいと思うよ。
「なるほろ〜。花音も土になったの?」
今の世の中だと、土に埋めると「勝手に埋めるな!」って怒られちゃうのよ。
ごめんね、人間がそんなこといってて。
でも仕方ないので、今は旅立つと火葬といって、ご遺体を荼毘に・・・が一般的なの。
もちろんお庭とか山とか持ってる方は自然に埋めて供養することができるよ。
「火葬って・・・」
燃やすのね・・・。
「まじか〜・・それはこわいでふ・・・」
考えるとねw
でも魂は旅立ってるから熱いのもこわいのも感じないんだってさ。
「ほんとに?」
・・・おかん、まだ生きてるから実体験はないので言い切れないけど。
でも、火葬で熱かったね、っていう事で骨になって帰ってきたらお供えものと一緒にたくさんのお水をおくんだよ。
「あ〜だからたくさんお水取り替えて、のんのんにって置いてたのですね〜。でも減らなかったよ?」
魂は、物質的には摂取できないけど、水の波長とかお供えの香りとかそういう目に見えないものを頂くんだってさ。
なーのーに!
ゆず、君、花音のお供えにって置いてた焼きかつお、一袋まるまる躍り食いしたの覚えてる?
「・・・・・・・・。」
おいー!おきれー!
花音にあやまれー!
「ごめんなさい、おいしかったでふ」
ま、でも花音の魂も見えない所をお腹いっぱい食べてるから物質的なものは、ゆずみたいな家族が食べていいのです。(こっそりはダメだけど)
そうやって、生きてる間に食べれなかったものとかをお供えにすることで、天国に行った魂はそれらをお供えしてくれた気持ちと一緒に受け取ることができるって言われてるんです。
だから、命日とかにお供えするものは、花音たちが食べるまで食べたらだめですよ〜。
「ほーい。あ、さっきの火葬ってやつのあとに骨で帰ってくるっていってたのは?」
火葬すると、土に還ったように骨だけが残るのね。あ、あと身体の悪かった部分が不思議と焦げた固まりになって残るの。
「え!?そうなの!?」
うん、これは人も同じで、とっても不思議なんだけど、例えば心臓が悪かったら心臓が燃え残るのね。
で、家族で骨壺っていう骨を収める壺に骨をゆっくりひろって入れるんだけど、その燃え残った悪い部分はいれないの。
そうすることで、今まで闘ってきた病とは決別させてあげることができる、っていわれてるの。
「燃え残った悪いとこは?どうするの?」
それは火葬してくださる方がちゃんと骨とは別の所で供養してくれるんだよ。
陣と花音のは、伊豆のほうの海に還されて供養されたんだよ。
なので、今お部屋に一緒にいる陣と花音の骨は病気と離れられてとっても楽になった状態なのですよ。
「そっか〜。なんか不思議だねー」
火葬してくださる専門の方は、その場ですぐに燃え残りを見て、どこが悪い子だったかわかるんだよ。
陣の時は全身の血液の病と急性膵炎だったのを、花音の時は肝臓と腎臓、あと赤ちゃんの時発作起こした額の奥の血管詰まった所を言い当てられたよ。
「すごいねー!?」
ねー、すごいよね。
これは最後のメッセージでもあると思うんだー。
どんな身体の状態と闘ってたか、ちゃんとそれを見逃さずに側にいてあげられたか、が分かるしね。
花音の時は、やっぱり赤ちゃんの時の発作は幻じゃなくてホントに危ない発作だったんだな〜ってことがわかって、それでもそれ以来、その痕跡がありながらもあんなに元気に生きてたんだな〜ってわかって嬉しかったよ。
「そっか。寂しいことだけじゃないんだね〜。ゆず〜花音全然元気と思っておもいっきり追いかけっことかしちゃってた〜」
ね。ほんとw
取っ組み合いとか散々してたしね。
だから、形がなくなっちゃうのを寂しがる人も沢山いるし、その気持ちもとっても分かるけど、火葬して骨拾ってあげながら、そういう事と向き合うことも、旅立った子を見送る大事なことだなって気付いたよ。
さ、では次は、「葬儀」のお勉強ね。
「ほーい」
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